「本当のわたしでは あなたに触れられない」
クリア&ゲーム内のトロフィーをコンプリートしました。
人間の姫に姿を変える力を得た狼の化け物と、人間の王子が織りなすアクションアドベンチャーです。
ネタバレを含む感想なのでご注意ください…。みんな遊んでほしいです。
ある森に、美しい歌声を持つ狼の化け物がいました。その歌に惹かれ、人間の王子が毎夜やってくるようになります。
歌声の主の姿を見たいと思った王子ですが、姿を見られたら嫌われてしまうと思った狼は王子を拒絶します。狼の鋭利な爪は王子の目を傷つけ、化け物の手の感触は王子に恐怖の記憶として刻み込まれるのでした。
その傷ゆえに幽閉されてしまう王子。狼は王子を連れ出し、目を治してもらうよう森の魔女に頼むことを思いつきました。
狼は王子の手を引ける姿となるため、まずは自分が人間の姫に変身できるように魔女に願うのでした。代価として、王子が褒めてくれた自慢の歌声を差し出して。
…ということで、狼の姿と姫の姿を切り替えながら王子の手を引き化け物が蠢く森の奥を目指すアクションアドベンチャーゲームです。
「わるい王様とりっぱな勇者」とともに今年の初めにセールで買いました。セールで買ったゲームはできる限りすぐ遊びたいと思っているんですが(もたもたしていると次のセールでさらに安くなったりするから)、結構かかっちゃったな…。
でも遊べてよかったです。遊べたのが今でよかったな、とも思います。
魔女のBGMがまさに魔女! 魔女の館! って感じでとても好きでした。
最初に見たこの化け物が虫っぽかったのでなんとなくホロウナイトを思い出しました。
実際はたぬきの化け物だそうです。
ステージ内のBGMもそれぞれダンジョンっぽさがあり、冒険感があってお気に入りでした。どこか民族音楽風の雰囲気なのも好きでした。
手を繋ぐとふたりともにこっとするのがとってもよかった。姫が得意げに王子の手を引いて走るのも微笑ましかったです。
それから、狼から姫の姿になるときにさっと髪(王冠のほうかな?)に手をやる仕草も好きでした。
姫が手を繋ぐのと狼が攻撃するのが同じボタンに割り当てられているのってやっぱりあえてそうしているのかな〜。どちらも手を使うアクションですし。
昨年発売された「メグとばけもの」と同じような感じで、狼の姿のときは化け物から攻撃されることはありませんし、底なしの穴にさえ落ちなければ高い場所から飛び降りても平気です。反対に、人間の姫と王子はとても脆い存在です。
ステージ内には花びらが落ちていて、集めるとコレクションからデザインやラフイラストを見ることができます。
狼の目どうなってるんだろうと思ってましたが、やっぱり4つなんですね〜。姫のデザインは本人の両目と王冠とリボンでその4つを表している…とあります。
もうひとつの収集要素は花。こちらは集めると魔女のエピソードを知ることができます。
最初は王子の手を引いて歩くことしかできませんが、だんだん王子にお願いして指定した地点まで移動してもらったり、ランタンやブロックを持ってもらったりできるようになります。
目が見えない王子にとっては、助けなしにひとりで歩いたりランタンに火をつけたりするのはとても勇気がいることだと思うのですけど、姫のためだからとお願いをきいてくれるのがふたりの絆を感じられて素敵な表現でした。
本当の姿ではそばにいられない葛藤を抱え、それでも嘘を重ねながら、姫は王子とともに歩みを進めていきます…。
姫は月の光を浴びると狼の姿に戻ってしまうので、ここはふたりで満月をながめることができる貴重なシーンでした。
嘘が明らかになり、落としたランタンから火が広がって森が火事になってしまいます。
愛するコレクションを燃やされたことで魔女は怒り狂って怪物と化し暴れまわります。
「悪いことをしたら謝る」と王子は魔女のところに向かうことを決意し、話を聞いてもらうべく姫に魔女を落ち着けてとお願いするのでした。
姫も王子も、できるかどうかわからないことだとしても相手の願いに応えようと勇気を振り絞るのが本当に綺麗で素敵な関係だなと思いました…。
ゲーム内にトロフィー要素があって、花びら・花の収集や特定のステージで敵を倒さない、特定のステージを制限時間内にクリアなどがあります。
不殺・タイムアタックは予めトロフィーの条件が開示されているので、物語を進めるのと一緒に意識してやっていました。タイムアタックはそこまで制限が厳しくない…と思うので道を覚えればできました。不殺もまあ…詰まるポイントは決まっているので何回か繰り返してできたって感じです…。
キノコの上に落ちると落下死せずに済むんですが、なんか謎の慣性があって王子だけ振り落とされることがしばしばありました。ラストに近いこの場所がどうしてもできなくて、最終的に手を繋いで降りるのではなく下から指示を出して歩いて落ちてきてもらいました…。失敗するとトラウマになりそうなのでできたらやりたくないんですけどね。
最終戦の魔女とのバトルステージがこれまででいちばんすきでした。たぶん、王子が狼である姫を信じて頼ってくれたからだと思います。BGMがあの印象的な魔女の音楽のアレンジなのも好きでした。
ふたりが別々の場所に配置されることが多く、これまでにも増して狼が奔走して王子の行手を阻むものを排除しギミックを解く忙しさも楽しかった〜!
また、定期的に魔女の棘の攻撃がふたりを狙い撃ちしてきます。こういう棘の攻撃ってめっちゃそれっぽいな! と思って好きなんですよね〜。
魔女の事情は花の収集でなんとなく窺い知ることができますが、魔女が大切に思っていた少女はきっと王子みたいなひとだったのでしょうね。
そう思うと魔女と狼は結構似たもの同士なんだろうな…とも思ったり。
怪物から元の姿に戻った魔女にふたりは謝り…そして、狼は代償を支払って王子の目を治してもらうのでした。
エンディング曲があまりに良すぎる…。
これは王子側の曲だと思いますが、こんなに素敵な歌を聴かされたら狼の歌だってそれはもうすごく美しかったんだろうなっていう説得力がありすぎて、王子が狼の歌に魅了されたっていうのも、歌声の主に会いたいと思った気持ちもがすごく納得できてしまう。
ストレートなラブソングなのもまた…。
わたし、ゲームをプレイした人に向けて感想を共有したくてブログを書いているんですけど、もしまだ遊んでいない人がいたら先にゲームをやってほしいです!!
この曲何も知らずに聴いてもめっちゃいい曲だと思うけど、ゲームを踏まえて聴くともう本当にまじのまじでこんなにすべてにおいてゲームのストーリーを表現していることある? って圧倒されます!! おすすめです!!!
何も知らずにゲームだけやって聴いてほしい!! もうだいぶ遅いけど!!!
この歌詞が本当に本当に好きでした。曲を聴きながらイラストを追っていて、王子は幽閉生活からちゃんと王子に戻れたんだなとかしみじみ思ってたけどこのあたりから記憶がない…。
ブログを書くうちに頭と体が分離するようになったからイラストの切り替わりに合わせてスクショは撮ってるけど、その記憶もなくて今ゆっくり見てます。これ、姫がくれた思い出の花をもう一度集めて渡しにいく、その旅路を描いていたんですね。
こんなにも歌詞のすべてが物語のすべてを追想させてくることってあるんだなってひたすら浸っています。
サビの「この手を離さずに もう一度始めよう」、先述のとおりわたしはストーリーとトロフィーを並行してやってきたし大変なところもそれなりにあったけど、それを乗り越えてやってきたのが報われた気がして、
ゲームを遊ぶことはそれ自体が楽しくて満足しているし、トロフィーなどの目標を達成するのも自分が勝手にやっていることだから普段ゲームをやっていて報われたと感じることはあまりないんですけど、なんだか今回はとても不思議な体験でした。
ずっと手を引いてきた「わたし」に対するアンサーとして最高でした。
「調子はずれの歌が こんなに愛しくて」もめちゃくちゃいいですよね。惹かれたきっかけは歌声であっても、王子はどんな姫のことでも愛しているんですよね…。
あ〜めっちゃよかった。
クリア後はスタート画面が変わるようです。
ロードし直したらセーブ画面のところに狼が描かれていました。これもクリアしたからなのかな?
トロフィーコンプリートです。
「嘘つき姫と盲目王子」の右が「スタート地点」で、ゲームをクリアすると獲得できるトロフィーです。名称も狼と王子が手を繋ぐイラストも最高すぎませんか…。